僕のヒーローアカデミア The “Ultra” Stage 本物の英雄(ヒーロー)、見てきました。
残念ながら、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の蔓延するこのご時世のため、わずか数公演のみで中止となってしまいましたが…。私が観に行ったときは、手への消毒液噴霧に加え、サーモグラフィーでの体温検査が対策されていました。
Blu-ray&DVD化も中止となり、今後の再演もあるかどうか現在では未定です。だからこそ、と殊更意気込むわけではありませんが、初めて観たヒロステが素晴らしかったことが少しでも伝わればいいなあと思いながら、この記事を書きます。
基本的には原作に忠実なストーリー進行でしたので、何が良かったかに焦点を当てていきたいと思います。
大まかにいうと、第2回目の公演に当たる今回は、
<前半>ヒーロー事務所でのインターン&ステイン戦
<後半>雄英高校・期末テスト
のお話でした。
既に記憶がおぼろげな部分もあるのですが、だいたい前半80分、休憩20分、後半60分くらいで、非常に観やすい時間配分になっていました。
総勢24名にも及ぶキャスト陣+ALL ROUNDER5名によるステージは圧巻の一言!
ビジュアル
公式サイトに掲載されているキャラクタービジュアルを見ても分かるように非常に再現度が高い。
あんなに多種多様な見た目・服装をしているのに、その再現度がいずれもかなり高かったです。
特にヒーロースーツの出来栄えにはどれも目を見張るものがありました!
また特筆すべきはALL ROUNDERの存在。
観劇前、パンフレットを開いた時にオールラウンダーってなんだろう?アンサンブルを言い換えているだけ?と疑問に思いました。
その疑問はすぐに解けます。
パンフレットやHPには記載されていない数多のキャラクター達をほぼすべて彼等5人が演じているのです…!そのめまぐるしさがとにかくすごい!そしてクオリティも素晴らしい。
インゲニウムに始まり、インターン先のプロヒーロー達、校長、ミッドナイト、セメントス、13号等々、期末テストに登場する先生達。黒霧まで!とにかくたくさん。
この華々しい個性派キャラクター達を演じ分けるのですから、衣装替えも含めて相当に大変だったはず。一人のキャラクターを突き詰めることも多くの苦労が伴うのでしょうが、オールラウンダーの皆さんにもきっとまた別の苦労がたくさんあったはず…。
原作は知っているのに、次は誰が出てくるんだろう、というワクワク感がすごかった。
個性演出
初めてヒロステを見る今回、特に楽しみにしていたのは個性をどう演出するのかということでした。
というわけで、特によかった・目に留まった演出をピックアップして書いていきます。
音や光に合わせてひたすら動く、段差等をうまく利用して、高低差を出してダイナミックな体術で魅せていました。ヒーロースーツもシンプルですしね。
とにかく体術が多いのでしんどそう…!
ステージ冒頭でのキャラ見せパートでは、一瞬だけ本物の火種を使った小規模爆発の演出をしていたのがCOOOOOOL!
梅雨ちゃん演じる野口さんが、いつみてもあの特徴的なおてての形をしていたので随所に帰るっぽいあの梅雨ちゃんがいました。
個性演出という意味では本当に全然何もなかったんですが、青山くんという人格は素晴らしいなあと思いました。実際にいたら、結構好きかもしれない。
幕間芝居要員その1。
期末テストのVSミッドナイト戦で投げまくるシーンは、竿に吊ったボール群をミッナイ先生の前に垂らしていました。
なるほど。確かにいっぱい身体にくっついているように見えなくもない……かも。
言われてみれば納得の演出でした。も一人いるようなものですもんね。
余談ですが、常闇くんの中の人(松原さん)は身体能力が高いんですね。あの視界ですごい。
ちゃんと肘のところからしゅーって相手に向かってテープ伸びていくんですよ。向かう先でてぐすか何か引っ張ってるようなそぶりも見えなかったのに一体どうなってるんだ…MVP。
個性がヴォイスなので、もちろん声量大きめに演出されているのですが、そうじゃなくてもとにかくよくしゃべるし、会場の空気をあっためるムードメーカー。なるほど、彼がヒロステにおけるストーリーテラーなんですね。
しかもラップまで難なくこなす。この声<ヴォイス>つよい。
幕間芝居要員その2。ちなみにその3は相澤先生。
校長→個性というかもはや校長の演出が好き。ぬいぐるみなんですけど、肩に乗って出てきたり、黒子の足に足をくっつけて、人形劇さながらに動いたり、可愛い。
でも、ヒャッハー。
葉隠ちゃん→これはもう無理もない。制服だけ成形した状態で一度だけの出演。でも声がアニメのご本人なのがとてもよきでした!
合田くん→期末テストから登場した時はテンションが上がりました。彼の演出で何が面白かったかというと、小さきものに話しかけた後、イラストではなく大小さまざまなサイズで書かれた「虫」という文字がうじゃうじゃ先生に向かって這い上がっていく映像仕立てになっていたこと。これなら生理的にも目に優しいですね。拍手!
ミッナイ先生&ウワバミ→個性演出ではないんですが、基本的にはミッドナイトの扮装…の上に、右半分だけウワバミのウィッグや衣装を着て、右半分だけで彼女を演じていたこと!とても面白い演出でした!
尾白くん→おじろくぅぅぅぅぅん!!まさかしっぽだけだなんて思い切りがよすぎるんじゃないかなぁぁぁ!!!飯田くんとタッグを組むVSパワーローダー戦では、まさかのしっぽだけ出演でした。尾白君のしっぽを抱きかかえて絶叫する飯田天哉の姿のなんとシュールなことか…ベストオブ腹筋もってかれた賞。
ここからは、上で書き切れなかった感想をつらつら述べていきます。
冒頭
暗転からの全員板付き。一人お立ち台に乗ったデクくんのモノローグからはじまります。
ここからすべてが始まった。
そういわんばかりの雰囲気に思わず息を止めてしまいそう。そうして始まるのはおなじみのセリフ。
「これは僕が最高のヒーローになるまでの物語だ」
この時点で感極まってしまうのでいったん停止ボタンを押したい。
そこからは、初演でやった内容のダイジェストのような演出が入り、そして全員で歌い、踊る、賑やかなで華やかなダンス。
ここで歌ってる曲、このあと何度も歌うので大変耳に残るのですが、これは初演でもやってるヒロステのテーマソングなのかな?
ともあれこの曲もうガツンとこっちに響いてくる。歌が届くというよりは、パワーが届くという感じ。「俺達はヒーローだ!」と言わんばかりの熱量がすごかったです。
インターン
ヒロステ初観劇の印象はとにかく「華やか」なんですが、30人近い演者さんがくるくるとよく動くので見ていて全く飽きません。
生徒達が机や椅子を移動させながらステップを踏む様子は、無造作に見えてラインダンスのような統一感と爽快さを感じました。
いよいよインターンが始まります。
ひとりひとりインターン先の候補数が歌にのせて発表されていくのがコミカルで楽しいです。セット全体、可動式の階段セットを駆使して、縦横無尽なプロジェクションマッピングの演出が光ります。 どこからともなく紙(インターン先のリスト)を出して、一斉に宙に投げ上げる演出は皆綺麗にそろっていて、圧巻でした。
このインターン編前半で特に楽しかったのが、インターン先のプロヒーローたちの登場シーン。オールラウンダーの真価を最初に実感するのはここではないでしょうか。
とにかくいろんなプロヒーローが出てくる。さすがに全生徒分は無理ですが、専属キャストのいるエンデヴァーやベストジーニスト(シルエット完璧すぎる)、グラントリノの他にも前述したようにウワバミやマニュアル、ガンヘッド(かわいい)、ネイティブ等々、プロヒーローたちがどんどん出てきます。
少し飛んで、デクがグラントリノの元を訪ねるシーン。原作に忠実な、衝撃的な現場から始まる出会いは思わずクスリとしちゃいました。
話がちょっとずれるのですが、グラントリノ演じる米原さん、以前SHOW BY ROCKのクロウ役で拝見したことがありました。溌溂とした若者役から一転しておじいちゃん役だったのでとてもびっくりしたのですが、コミカルシーンでのお茶目なおじいちゃん、とても似合っていました。シリアスシーンでデクを諭す声は少し若かったかな…。でも意外な役どころに触れてとても楽しく見ていました。
VSステイン
前半の要ともいえる、VSステイン編。
上手く語れないのですが、ステイン役の川隅さんがすごかった。迫力が。
客降りもなく、私が観ていた席も舞台からは遠めだったのですが、それでもだいぶ圧を感じました。もっと地下遺跡だったら怖かっただろうな…。
原作通りの悪のカリスマを感じました。
原作・アニメと見てきましたが、舞台でもこのシーンの迫力と説得力は健在。
うまく伝えられないのが歯がゆいですが、デク、飯田くん、轟くんの共闘…そして何より飯田君の苦悩と葛藤、決断が奔流となって爆発したレシプロバースト。
からのデク君と飯田君のセリフ
「今は拳(脚)があればいい――!」
はあつかった。あつかったです。
余談ですが、空飛ぶ脳無は本体・右翼・左翼の3人で表現していたのがちょっと面白かったです。羽役の人、はしご昇るの大変そうだったな…。
戦闘終了後、病院で3人がする会話を覚えてなかったのですが、轟くん、あんなこと言ってたんですね(笑)
ハンドクラッシャー…
天然イケメンってずるい。
幕間
幕間に限らず、日替わり担当はプレゼントマイクと相澤先生。この二人の茶番、面白い。
「職場体験行くならどこに行きたいか?」というお題で昼公演も夜公演もやっていました。
昼はひたすら行きたい職業を相澤先生が述べて、それにプレゼントマイクが突っ込む形。夜は保育園(幼稚園だったかも)がいいという相澤先生に合わせてショートコントが始まるのですが、園児役を務めようとするプレゼントマイクを無視しての園児相澤爆誕。相当なクソガキっぷりを発揮していました(笑)
また別の幕間では、相澤先生扮するネイティブ(二役)を見て、「イレイザーヘッドに似ている」と迫るプレゼントマイクや、ステインに感化されたネイティブという態でいささか危ない様子の彼に突っ込むプレゼントマイクの姿が見られました。
幕間のもう一人の功労者と言えば、やはり青山君です。
彼ってこんなにおいしい役だったっけ?ってくらいおいしい。原作のまま、あの独特なイロモノ感はあるのに、すごく好感の持てるキャラクターに仕上がっていました。すごく好きになりました(単純)。
日替わりでは客いじりがメイン。
「僕のインターン先、知りたい?」と客席に聞いて回るのですが、その時観客の名前を聞きます。
「君の名前は?」
「〇〇です」
「わかった、じゃあ君はジョセフィーヌ(うろ覚え)ね」
名前聞いた意味…!
これをあと一回繰り返すんですが、2回目のあだ名はやたら重みがあるんですよね。大五郎とか。
とにかく、すごい魅力的なキャラクターに仕上がっていて、そういう意味でのMVPは彼。
期末テスト
ここも語ると長くなってしまうのですが…
先に言っておくと、砂藤くん、障子くん、葉隠ちゃんはいませんでした。なのでVSスナイプ戦は完全に割愛。切島くんは表面上一人で果敢に応戦してました。
尾白くんは前述の通りです。。
ステイン戦と同じく、盛り上がる見せ場はとにかくしっかり決めてくる、という感じ。デクとかっちゃんが共闘してオールマイトに向かっていくところは展開を知ってても胸が熱くなりました…!あと、スモークの中から現れるオールマイト(マッスルフォーム)が圧強すぎていっそ怖い。すごいヴィラン。
他の先生方とのバトルも演出の面白さが光っていました。
特に面白かったと感じたのは、VS13号戦とVSセメントスの演出!(VSプレゼントマイク戦も面白かったのですが、それは個性演出で触れたので割愛!)
VS13号戦では、吸い込まれそうになる表現を車輪付きの台車に乗って身体を伸ばすことで表現していました。お茶子ちゃんと青山くんのコイバナも健在です(笑)
VSセメントス戦。セメントス先生はプロジェクションのみの登場ではあったのですが、壁一面に映してみたり、可動式の階段側面に映してみたりと、位置取りが大事になる中で、違和感を感じさせないスピーディーなバトル展開が非常に爽快でした。切島くん、一人(心は二人!)で大健闘…!
校長VS芦戸・上鳴、エクトプラズムVS蛙吹・常闇、ミッドナイトVS瀬呂・峰田、パワーローダーVS飯田・尾白戦も、勿論どれも見ていて飽きない、素晴らしいバトルの連続でした!
そして林間学校へと続く日常の風景。
今に至るまで死柄木弔のしの字も出てきませんでしたが、別に忘れていたわけじゃないですよ…今回あまり出番g()
カテコそしてトリプルコール
カテコの挨拶ではやはり某ウイルスの話がありつつ、デクくん役の田村さんのあたたかいコメント。
ダブルコールでは、もう一度歌とダンスが披露されました。
そしてトリプルコールでは、昼も夜もデクとかっちゃんの二人だけが登場。優しい言葉をかけてくれるデクくんとは対照的に悪態をつくかっちゃんがもはや愛しい(笑)
夜公演では「帰れよ!(吐き捨てるようなニュアンス)」の一言だけでしたが、そこにすかさずデクくんのフォローが入ります。
「ウイルスのことがあるから、寄り道せずに早く帰ってねって心配してるんです」
とのこと。デクくんの翻訳力が半端ない。
とにかく、パワーにあふれた素晴らしいステージでした。
もし第3弾があるとすればいよいよ林間学校編!B組も登場しますし、プッシーキャッツも楽しみです。
それまでに、国内外の情勢が落ち着いているといいですね。そして願わくばぜひこの演目の再演が適いますように。
非常に嬉しいことに、3月に中止された公演が同じ演目を!登場キャラクター・キャストを増やして!帰ってくることに!
今回はなんとトガちゃんや荼毘、トゥワイスまでいる。。。なんてこった。
公演期間は7月17日(金)~26日(日)@TOKYO DOME CITY HALL。
さらに感動的な舞台が我々を待っていること間違いなし…!
昨今はまたじわじわと感染者が増えつつあって心配ですが、無事最後まで走り切ってほしいですね。