※この記事は、群馬県にあるMaa Studio Grayさんで炎撮影をすることを前提に書いています。
第4回目の記事となりました。今回は予告していた通り、炎撮影に際してカメラマンさんが注意すべきポイントをまとめてみました。
まずは、撮影前日までに整えておいた方がいいことについて書いていきます。とは言っても、コスプレイヤーさんほどたくさんあるわけではありません(経験上の所感)。
作業着
普段のスタジオ撮影では、動きやすい服装という以外に気を遣うことはあまりないと思います。ロケ撮の猛者ならばともかくですが。
しかし、Maa Studio Grayさん。とにかく汚れます。あちらこちらに取り切れない煤が付着していますので、正直何もしなくても汚れると思った方がいいでしょう。火災現場か廃墟に行くつもりでいた方がいいと思います。
というわけですので、汚れてもいい撮影用の作業着を持参することを強くお勧めします。
また、撮影中はとにかく灰を被ることになるので、バンダナを巻いたり帽子を被ったりした方がいいでしょう。これをしないと、撮影が終わる頃には、髪の毛が煤で汚れてキシキシします(コスプレイヤーさんはウィッグがあるので、意外と素の頭は守られます)。
マストではありませんが、他にあると便利なのは軍手と長靴です。
軍手については第2回目の記事でも書いたのでそちらを参考にしてください。
長靴も、簡単に言えば汚れ防止です。それにいざとなれば、火を靴底で消したり、燃えてる塊を足で移動させたり(勿論下火になったやつを)できるので非常に重宝します。
清掃アイテム
といっても大したものじゃないのですが、第2回目の記事で書いたウェットティッシュの他、カメラを清掃するためのブラシや乾いた布があるといいです。
更衣室の外には水の出る場所とハンドソープも置いてあるので、顔や手に着いた煤はそちらでしっかり落としましょう。
- 汚れてもいい作業着を用意する
- バンダナや帽子を装備して撮影にあたる
- 長靴と軍手はあった方がいい
- 絶対顔や手が汚れるのでウェットティッシュは必須
- カメラの掃除用具を必ず用意
カメラマンさんが気を付けた方がいい7つのこと!勿論、コスプレイヤーさん含め、みんなで気を付けられたらそれが一番です。
ヒアリングとセッティングは入念に
撮りたい画のヒアリングは事前に行った方がベターです。何故なら、炎撮影のセッティングは火種作りから設置まで時間がかかります。時間を無駄なく使うためにも、事前のヒアリングを行い、ある程度セッティングの算段をしておくと現場でスムーズだと思います。
また、撮りたい画に対して、安全な火のセッティングを十分に検討してください。退路の確保も重要なミッションの一つです。
灯油の扱いに気を付ける
効率よく燃やすために、火種の新聞紙やダンボールに灯油をかけます。
灯油をかけるのは、なるべくカメラマン本人かサポート(いれば)、複数人いる場合は衣装的な制約の少ないモデルさんが行ってください。撮影中、最も火に一番近い可能性が高いのはモデルさんなので、万が一灯油が衣装に付着して引火しては危険だからです。
水の入ったバケツを用意する
いざという時のために、水の入ったバケツを必ず用意しましょう。
勿論起こらないのが一番です。
火の監視を怠らない
撮影中、火の様子全体を把握できるのはモデルではなくカメラマンです。
火が衣装に燃え移りそうになっていないか、燃えているダンボールや新聞紙の塊がぶつかりそうになっていないか(上昇気流で舞い上がることがある)等を確認し、ファインダー越しでも常に注意を怠らないでください。
サポートを置き、監視してもらうとなお安全でよいです。
追い灯油はほどほどに
火勢の弱くなったところにジョウロで灯油を足し、再び燃え上がらせることを俗に追い灯油と呼んでいます。
一からセッティングし直すのは大変なため、ある程度画が成立しているなら追い灯油で炎を調整してあげるのが便利です。追い灯油役を用意し、指示出しするのが効率がよいでしょう。ただし、夢中になりすぎて長時間モデルを炎と煙にさらさないこと。
マスク着用推奨
煤を吸い込み過ぎないよう、撮影中はなるべくマスクを着用しましょう。
マスクをしていても、鼻や口の周りを中心にマスクが黒くなるので、しないとやばいことがよくわかります。
同時に、マスクを着用できないモデルさんの体調管理にも気を配ってあげてください。
機材と自分を大切に
高熱に機材を晒すことになるため、壊れる覚悟は常に持ちましょう。
幸い、この3,4年炎撮影に通っていて壊れたことはありませんが、相当負荷をかけている自覚はあります。。。
撮影が終わったらきちんとメンテナンスしてあげてください!
また、夢中になって火に近づきすぎ、怪我をしないよう注意してください。
前ナメの炎とかめちゃくちゃエモいですけどね!
- ヒアリングとセッティングは入念に
- 灯油の扱いに気を付ける
- 水の入ったバケツを用意する
- 火の監視を怠らない
- 追い灯油はほどほどに
- マスク着用推奨
- 機材と自分を大切に
今回は、カメラマンさんが気を付けるべきポイントについて書きました!
次は、いよいよ具体的な撮影ルーティーンを、写真と共に解説してみたいと思います。